香り高く華やかな味わいが特徴のアランモルトウイスキー。
多くのオフィシャルボトルがラインナップされる中、熟成樽とアルコール度数によって差別化された
アランクオーターカスク
今回の記事では実際に試飲し、筆者自身が感じた事やおすすめの飲み方を記載。
アランクォーターカスクの技を感じる味わいや詳細スペック・定価をコスパで評価していきます。
アラン クオーターカスク
- 蒸留所:アイルオブアラン(ロックランザ)蒸留所
- 地域:アラン島 ロックランザ村
- 熟成:ノンエイジ(約9年)
- 熟成樽:バーボンバレル・クオーターカスク
- アルコール度数:56.2%(カスクストレングス)
アランクォーターカスクとは?
第2蒸留所が新設され、人気だけでなく話題性にも事欠かないアランモルトウイスキー
ノンピートながら、唯一無二の味わいで個性を主張し、ウイスキー愛好家からも注目度の高い蒸溜所。
アランの種類や歴史 などについては以前詳しく触れました
今回 レビューする アランクォーターカスクは熟成樽に焦点を当てたウイスキー。
アランクォーターカスクの熟成樽
- バーボンバレル
- クォーターカスク
アランクォーターカスクの熟成で使用されるのは上記2種類の樽
実際の熟成年数より、味わい・カラー共に濃く感じるのはこの樽熟成の方法に由来します。
ボトルに年数表記はありませんが、下記の順に熟成されます。
- バーボンバレルで7年
- クォーターカスクで2年間の追熟
この熟成を経て、アラン クオーターカスクはボトリング。
初期の熟成に使われるバーボンバレルとはバーボンウイスキーが熟成された後の空樽をさします。
容量はスコッチウイスキーによく使われるホッグスヘッドと呼ばれる樽よりも小さく約180L。
香味成分バニリンに代表されるような、甘く漂うバニラ香が特徴のウイスキーへと仕上がりを見せます。
余談ですが、スコッチウイスキーによく使われるホッグスヘツド(約250L)という樽はこのバーボンバレルを組み替えて作られるのが一般的(シェリー樽の場合もあり)
クオーターカスクとは?
追熟に使われるのは、このウイスキーの最大の特徴であるクォーターカスク。
クオーターカスクとは容量125Lの小さな樽。
480Lの大きさを誇るシェリー樽と比べると、その容量は 1/4 程度。
ウイスキー原酒が樽と接する表面積が大きい分、樽からの影響を受けやすく、強い樽香をまとう事が特徴。
これにより実際の熟成年数よりも味わいが長熟に感じる恩恵を与えます。
ウイスキーにクォーターカスクでの熟成がもたらす影響は大きく、ボトラーズブランドを初め、様々な蒸留所がクオーターカスクを使用したウイスキーをラインナップ。
メジャーなところでは ラフロイグ蒸留所もクォーターカスクを発売し、価格の割に樽の味わいが色濃く表現されコスパに優れたウイスキーでした(現在 正規代理店サントリーの製品は終売)
アランクオーターカスクの定価やアルコール度数
- アルコール度数:56.2度
- 定価:6千円
アランクォーターカスクのアルコール度数にはカスクストレングスが採用。
56.2度の強アルコールがもたらす力強さとクォーターカスクによる重厚な樽香が共存します。
満足度の高い味わいで定価はオープン価格となっていますが、約6,000円。
5,000円程度で長らく安定していましたが残念ながら値上げ…、しかし今だお得と感じれる定価設定ではないでしょうか。
アランクオーターカスク テイスティング・レビュー
アランクォーターカスクの評価は?
実際にテイスティンググラスに注ぎレビューしていきましょう。
カラーは鮮やかに輝くイエローゴールド。
香りはトロピカルフルーツ系の甘やかな香りに瑞々しいウッディなビター感。
口に含むと、シロップ漬けのパイナップルのようなフルーティな甘みとブラックペッパーを伴うスパイシーなビター感がアルコール度数からくるボリュームのある味わいで口中を支配していく。
パワフルではあるが若い原酒特有のピリつくような嫌悪感は一切なく、清々しいウッディなニュアンスが印象的。
飲み進めていくと、中盤あたりから味わいの支えとなるようにバニラの香りが鼻腔にじわりと忍び寄る。
これがフィニッシュに近づくにつれ、麦芽を連想する芳香と混ざり合い膨らんでいくのに好感が持て面白い。
ボディーは爽やかだが、熟成年数の割にそれなりに厚く、飲み応えを感じるウイスキー。
フィニッシュでは、ビターでウッディーな味わいが印象的に現れるが、一番最後に長く残るのはトロピカルフルーツとバニラを思わせる甘やかな味わい。
加水すると、フルーティな甘さも健在だが意外とオーク樽特有のビターでスパイシーな味わいがドライな印象をフィニッシュで 強く残す。
ロックにすると、飲み口はバニラ系の甘さを感じるが、次第にウッディーでビターな味わいが主となる。
ハイボールにするとアランモルト特有の華やかな香りを伴う味わいに。
爽やかだが飲み応えを感じる。
Arran Quarter Cask おすすめの飲み方
アランクォーターカスクは9年熟成という若い原酒構成の割にバランスが良く感じられ、56.9度と言うハイプルーフを気にさせない味わい。
その意味では 飲み方はストレートをおすすめしたい。
しかし同時にキレとコク、バランスの取れた味わいで華やかなハイボールもマイフェイバリット
是非とも試してほしい。
『アランクオーターカスク』コストパフォーマンス&評価 まとめ
Arran Quarter Cask
- クオーターカスク&カスクストレングスでのボトリング
- パワフルで飲み応えのある味わい
- 飲み方はストレートとハイボールがおすすめ
- 比較的に定価で入手しやすい
- 初心者の方よりウイスキー愛好家にオススメしたい1本
アランクォーターカスクは定番ラインナップの中でも、小樽の使用&カスクストレングスでのボトリングという異例のウイスキー。
熟成年数 約9年程という浅い原酒構成ではあるが、樽香とのバランスが良く飲み心地の良い味わい。
クォーターカスクでの追熟によって、若い原酒がもたらすネガティブなピリつくようなアルコール感を高いアルコール度数にも拘らず見事に打ち消していました。
原酒選定と樽熟成に技術力の高さを感じます。
しかし、ウイスキー初心者の方がストレートで飲むには正直キツイのではと感じるのも事実。
アルコール度数だけに留まらす、味わいにも飲みやすさよりも力強さを感じます。
実際に比較試飲したわけでは有りませんが、アランモルト10年 と比べると、樽香が強いのは当然として、繊細で優美な味わいは劣るように感じます。
アランクォーターカスクの味わいを一言で表現すると「アランらしく清々しくもパワフルな味わい」
原酒のポテンシャルとアランモルトの味わいを伝える表現力の高さに満足させられるウイスキーでした。
近年、原酒不足で入手困難になりつつあるアランモルトウイスキー。
その中ではタイミングさえ合えばクォーターカスクは比較的に定価での入手が可能と感じています。
ハイボールでも…
ストレートでも…
日常ユースに高い満足度で使い勝手の良いアランクォーターカスク。
我が家のローテーションに加わる予感…。
アランの優雅さとパワフルさを兼ね備えたこのウイスキー、再び購入する日も近そうだ。
評価:コスパ最高
ベンリアックもクォーターカスクをボトリングしています。
バニラを思わせる樽香と共に、フルーティーでスパイシーな飲み応えのある味わい。
安い定価設定にも好感が持てます。
ピーテッドも含め2種類ラインナップ。
イチローズモルトも過去にクォーターカスクを使用したウイスキーをリリース。
ちびダルと名付け色濃く味わい深いウイスキーでした。
限定ウイスイーで貴重な逸品。
アランモルトがボトリングするもう一つのカスクストレングス「アランシェリーカスク」
パワフルなアルコール度数だけでなく、シェリー樽 による重厚な味わい。
一度は飲んでおきたいウイスキー。
口コミ・レビューしました↓
クォーターカスクでは有りませんが、深く焦がした樽で熟成させたタリスカーダークストーム。
スパイシーで飲み応えのある味わいが更にパワーアップ
1Lの容量でコスパの面で満足いく一本。
レビューしました↓
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いウイスキーLIFEを
樽香が華やかに薫るウイスキー
イチローズモルト ミズナラウッドリザーブもおすすめ↓
同じくカスクストレングスボトリングされたアラン
アランシェリーカスク↓