スプリングバンク10年
蒸留所・・・スプリングバンク蒸留所
地域・・・キンタイア半島 キャンベルタウン
熟成年数・・・10年
熟成樽・・・バーボンカスク・シェリーカスク
アルコール度数・・・46 %
スプリングバンク10年
キャンベルタウンに所在するスプリングバンク蒸留所。
スプリングバンク10年は、ウイスキー愛好家からの評価も高く、入荷次第即完売で常に品薄な状態が続いている人気の銘柄。
スプリングバンク蒸留所が生産する3種類のウイスキーについて記載↓
スプリングバンク10年の熟成樽は?
- シェリー樽:40%
- バーボン樽:60%
スプリングバンク10年は熟成にシェリー樽とバーボン樽を使用。
スプリングバンク蒸留所の原酒を味わうのに最も重要なバランスの取れた1本。
熟成年数の違いでスプリングバンクは使用する熟成樽を使い分けています。
例えば、以前レビューした スプリングバンク15年 ではシェリー樽を100%使用。
この試みにより、原酒と熟成樽が織りなす味わいの幅が広がり、スプリングバンクの魅力が更に深くなっています。
スプリングバンク10年の定価は?価格推移は?
スプリングバンク10年の定価:8,500円程度
(2022年 値上げ後の価格)
オフィシャルボトル10年熟成の銘柄としてはかなり高い定価設定。
しかし正規品のこの価格、昨今のウイスキーブームによるものでは有りません。
価格推移はというと、2000年初頭、スプリングバンクの定価はすでに8,000円ほど(世界の銘酒事典記載)。
他の銘柄と比べても当時から定価自体が高い金額でしたが、20年間の価格推移でみると値上げ幅は意外と小さく感じます。
品薄から価格高騰…
スプリングバンク10年、現状と大きく違うのは流通価格。
2000年ころはプレ値なんて事はほとんど無く、定価よりも多少安い値段で販売されていました。
近年でも正規品が年に数回は入荷しているのを見かけますが、品薄からの価格高騰が見受けられます。
通販サイトでも販売価格にかなりの差があります。
購入の際はしっかり比較しましょう。
スプリングバンクは10年熟成で限定品をリリースした事も有ります。
もう1つのスプリングバンク10年「ローカルバーレイ」終売
スプリングバンクの人気シリーズ「ローカルバーレイ」が2016年より復刻版としてリリースを開始。
キャンベルタウンに所在する蒸溜所に程近いウエストバックファームなどで収穫された大麦を使い生産されるシングルモルト
キャンベルタウンで生産のすべてが完結している事が特徴のウイスキー
リリースされる年によって限定本数は異なり、1万本前後での限定リリース。
定価は1万円強ですがリリース後即完売、争奪戦となる人気のボトル
カスクストレングスでボトリングされている事も手伝い、スプリングバンク特有の塩っぽさや、ハチミツのような甘さがより濃厚に感じられます。
麦芽の香りに溶け込むトロピカルフルーツ…
とにかく華やかで気品ある味わいが印象的。
味わいや定価などを記載し、レビューしました↓
現在このシリーズは終売。
再びの終売からの復活に期待を寄せて…。
その後、不定期ですが限定リリースされました。
「スプリングバンク 10年」本題に戻しましょう…
ラベルは華やかなオレンジ
ラベルの中央にはアルファベット”S”をかたどったスプリングバンクとひと目でわかるロゴが配置されています。
ラベルカラーはオレンジで、スプリンバンク10年の持つ、開いた花のような芳香高い香りと印象が合致します。
ボトルのショルダー部分には「SPRINGBANK DISTILLERY」の刻印
このボトルデザインになってから(確か2000年を過ぎた辺りと記憶しています)ヘーゼルバーン もロングロウもこのボトルでボトリング。
ボトリング工場を併設している数少ない蒸留所だけにボトルのデザインも凝っています。
「スプリングバンク10年」テイスティング・レビュー
スプリングバンク10年の評価は?
テイスティンググラス に注ぎレビューしていきましょう。
カラーは淡く輝くブラウンゴールド。
香りは麦芽と芳香高いシトラス系フルーツそこに僅かな ピート。
口に含むと、少々ピリッとした塩気と共に麦芽と爽やかな青りんごの味わいが印象的に訪れる。
奥行き深い味わいで、柑橘系の酸味・ウッディでスパイシーなニュアンスが立体的で複雑に混ざり合う。
飲み進めていくと、中盤あたりから、バニラのようなクリーミーな印象とハチミツを想わせる甘さも現れる。
爽やかな味わいながらもフレーバーは強く、ボディは厚く感じる。
フィニッシュも相変わらずの複雑さで長く、気品が漂う。
柑橘系の酸味とウッディーでスパイシーな味わいが主体で、そこに少々スモーキーな味わいが溶け込んでいる。
加水すると、甘みよりもドライでビターな感じが強く感じ取れるが、爽やかな印象で高い芳香はそのままに飲みやすい。
ロックにすると、スプリングバンクらしい個性は感じられるが、洗練された高い芳香は影を潜めていく。
ハイボールにすると、スプリングバンクらしさは感じられ爽やかだが、先程までの主張が穏やかになり、もの足りなさを感じる。
Springbank 10years おすすめの飲み方は?
スプリングバンク10年の複雑で立体的なフレーバーを楽しむには、やはりストレートが断然おすすめ。
複雑で独特な塩辛い味わい…
そこに潜むわずかなスモーキーフレーバー…
柑橘系の心地よい酸味が織りなす絶妙なバランスは、ストレートもしくは少量の加水で楽しみたいと想わせるウイスキーでした。
「スプリングバンク10年」コストパフォーマンス&評価まとめ
Springbank 10years
- モルトの香水と呼ばれるスプリングバンク
- 10年熟成の割に定価設定は割高
- 唯一無二の芳香は試す価値あり
- 流通に安定が見られないのが残念
- 定価で見つけたら即買い
ウイスキー愛好家からモルトの香水と称され、高い評価のスプリングバンク10年。
感想を一言で言うと「複雑な味わい、華やかで旨い」
スプリングバンクたる所以、唯一無二の気品漂う味わいが存分に味わえます。
しかし、10年熟成で定価8,000円オーバーの価格設定はかなり割高と感じます。
しかも近年さらにスプリングバンク人気に拍車がかかり、正規品を定価で購入するのは難しいのが現状…
コスパの面で考えると、個人的には定価での販売なら即買いですが、プレ値で買う程ではないと感じました。
ウイスキー愛好家ならば、唯一無二で特徴的なこの味わいは一度は試しておきたい1本ではないでしょうか。
流通の安定が強く望まれます…。
評価:コスパ普通
スプリングバンクは時代と共に様々なボトルを生産してきました。
旧ラベルは人気が高く、価格も高騰しています。
陶器製の旧ボトルは数種類生産され90年代に流通。
重厚で香り高い味わいで人気を博しました。
長熟で重厚な味わいのスプリングバンク 21年
使用された熟成樽は
- シェリー樽:35%
- バーボン樽:30%
- ポートワイン樽:35%
流通量は少なく品薄ですが、一度は口にしたい銘酒
キャンベルタウンもう一つの人気蒸留所「グレンスコシア」
ダブルカスクはペドヒメネスシェリーとファーストフィルバーボンカスクで追熟を行ったウイスキー。
受賞歴もある逸品
スプリングバンクと同資本で J&A Mitchellが所有する最古のボトラーズブランド「ウイリアム・ケイデンヘッド」
スプリングバンクがボトリングされることは稀ですが、様々な銘柄のシングルモルトウイスキーをコスパの良い価格でボトリングしています。
下記ショップリンクから現在購入できるケイデンヘッドの銘柄が確認できます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いウイスキーLIFEを
スプリングバンク10年とヘーゼルバーンを比較してみました↓
スプリングバンクのような貴重な ウイスキーはパラフィルムで保存。
保存方法や・保管場所も大切です
スプリングバンク10年が品薄で入手困難なら
香り高いクライヌリッシュに目を向けてみるのも…