サントリー ウイスキー 山崎12年
蒸留所・・・山崎蒸留所(サントリー)
地域・・・大阪府三島郡
熟成年数・・・12年
アルコール度数・・・43 %
山崎12年は「サントリー山崎蒸留所」で
出典:サントリー公式
サントリーによって日本で最初に作られたウイスキー蒸留所
それが山崎12年が作られる山崎蒸留所。
山崎蒸溜所が所在するのは大阪府三島郡、天王山の麓で、熟成に最適な霧が立ち込め、良質な仕込み用水にも恵まれた環境。
ウイスキー山崎に使われるのは2種の発酵槽
- ステンレス製 発酵槽
- 木桶発酵槽
ステンレスの発酵槽からはすっきりとしたライトボディの原酒が生産されます。
それとは対照的なのが木桶の発酵槽。
そこには微生物が住み着き、ウイスキーに複雑で重厚な味わいを与えます。
ポットスチルで原酒を作り分ける
当初 山崎蒸留所では、大きさ、形状の異なる6系統のポットスチルで蒸留を行いウイスキーを生産。
ポットスチルの加熱方式は、直火式とスチーム加熱の2種類を使用し、60種類以上のタイプの原酒を仕込んでいます。
2013年には2対増設され、合計8対16基のポットスチルで生産体制を更に強化。
これだけ多くの種類の蒸留器で原酒を作り分けているのは世界的に見てもめずらしい。
5種類の熟成樽で深い眠りに…
- バーボンバレル
- ホッグスヘッド
- パンチョン樽
- シェリー樽
- ミズナラ樽
ウイスキー山崎を構成するのに使用されるのは上記の樽。
バニラを想わせる甘やかな香り…
ベリーや桃の様なフルーティーな味わい…
キャラや白檀を感じる国産ウイスキーならではの気品…
山崎の味わいに最も影響を及ぼしているのがこの熟成。
バッティングする樽の使用比率により、ウイスキーの味わいは大きく変化します。
貴重とされる山崎の熟成樽…
ウイスキー山崎蒸留所の樽を使用して詰められた香り高い梅酒もリリースされました。
丁寧に職人の手により仕込まれたジャパニーズウイスキー山崎。
その価値は時を追うごとに世界的にも幅広く認められました。
人気は国内だけにとどまらず、海外の方かの注目度も高く、ジャパニーズ・ウイスキーの代名詞と言っても過言ではないほどに…。
国内需要も近年ますます人気が高まり、以前は酒屋や量販店に行けば必ずと言っていいほど並んでいたこのウイスキーも今ではプレミア価格が付けられ、品薄欠品の状況が長く続いています。
2013年3月には、当時家飲みウイスキーの定番ウイスキーによく使われていた「山崎10年」が終売してしまいました。
最近は価格高騰してしまいました↓
その反面 サントリー山崎は、流通量は少ないものの、熟成樽の違いやビンテージ商品等の限定ボトルもリリースし、ファンを楽しませてくれています。
サントリーの創業 名前の由来は?
サントリーが創業したのは明治32年、鳥井信治郎氏が大阪でぶどう酒の製造と販売を「鳥井商店」と言う名で興したのが始まり。
その後「寿屋洋酒店」と改名し、赤玉ポートワインを発売し成功をおさめます。
このサントリーという名前の由来も赤玉というネーミングの原点である太陽のサンと鳥井信治郎氏の名字を合わせたもの。
サントリー = 太陽(サン)+ 鳥井(トリー)
サントリーには、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏が迎えられていたことはNHKで放送されていた「マッサン」でも有名な話ですが、イチローズモルトで有名な「ベンチャーウィスキー秩父蒸溜所」の肥土伊知郎氏もサントリーで営業を担当していたという経歴を持たれています。
サントリーはまさにジャパニーズウイスキーの祖というべき企業で、ウイスキー業界に無くてはならない多くの人を輩出しています。
業界への貢献度も計り知れません。
鳥井信治郎氏の優れた経営感覚や行動力、それを支えるアイデアに触れることが出来ます。
サントリーのウイスキー作り
- 1899年 サントリー創業
- 1923年 山崎蒸留場の建設
- 1929年 「白札」国産第1号ウイスキーの販売
- 1937年 角瓶の誕生
- 1973年 白州蒸留所の建設
- 1984年 「シングルモルトウイスキー 山崎12年」誕生
- 1989年 「ブレンデッドウイスキー 響17年」誕生
- 1994年 「シングルモルトウイスキー 白州12年」誕生
サントリーが日本で最初のウイスキー事業に乗り出すのは1923年、京都に山崎蒸留所を構えたのが始まり。
そこは、桂川と木津川、宇治川の3つの川が合流し、多湿で霧がとても多く立ち込める場所
その地で国産第一号のウイスキー「サントリー白札」を1929年に誕生させます。
しかし、日本人の味覚には当時スモーキーな香りは受け入れられず、苦戦をしいられる事になります。
その後、今だロングセラーを続ける角瓶を生み出します。
1984年にはブレンデッドウイスキー全盛の時代の中シングルモルトウイスキー山崎12年を誕生させます。
山崎蒸留所の工場見学ツアー
山崎蒸留所では工場見学も行われています。
60分間のコースで、ウイスキーの製造工程の見学と試飲が可能。
市場では購入できないような限定ウイスキーの試飲もできます。
山崎蒸留所限定のグラスやウイスキーも売店で販売されています。
小栗旬さんがナレーションを務められています。
「なぜ、この場所なのか。」というタイトルで蒸留所の景色が描かれています。
シングルモルト・ウイスキー 山崎12年
山崎12年がリリースされたのは、蒸留所が生誕60周年を迎える1984年。
熟成樽には「パンチョン樽」、「シェリー樽」、「ミズナラ樽」の原酒を使用。
2003年には、日本で初の快挙となるISCでの金賞を受賞します。
それをかわきりに様々なコンクールでジャパニーズウィスキーは優秀な成績を治めていく事になります。
知名度を得た山崎12年は映画にも登場しました。
映画「マザーウォーター」では山崎12年が登場し、小林聡美さんがバーカウンターの中で水割りを作られています。
もたいまさこさんや小泉今日子さんも出演され、とても雰囲気のある映画です。
山崎12年の定価と価格推移
山崎12年の定価:10,000円
2022年の3月に値上がりし、現在の定価がこの価格になりました。
20年ほど前の定価は7,000円弱。
そして、定価自体の価格推移よりも大きく感じるのが実際の売価。
20年ほど前は、値崩れし5,000円~6,000円台で購入できていたように記憶しています。
現在のプレ値と比較すると4~5倍になっているように感じてしまいます。
山崎ノンエイジ・18年と定価を比較
山崎ノンエイジの定価(4,500円)と比較すると倍以上。
誰もが憧れる 山崎18年の定価 と比較すると1/3以下。
山崎12年を定価で買えるチャンスに巡り合えば、即買いでしょうか。
山崎12年はミニボトルが入手しやすい
ここまで、山崎12年の定価や希少性に触れてきた通り、定価での購入はかなり困難な状況…。
しかし、ミニボトルならば流通量がそれなりにあるせいか販売されている所をよく見かけます。
山崎12年はミニボトルでもそれなりに高価では有りますが、取りあえず飲んでみたい方におすすめ。
山崎12年の受賞歴
- 2018年:ISC金賞
- 2018年:ISC金賞
- 2014年:SWSC金賞
- 2013年:SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2010年:ISC金賞
- 2009年:SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2003年:ISC金賞
山崎12年は2003年にISCで金賞を獲得。
その偉業を皮切りに続々とサントリーのウイスキーは受賞歴を重ねていきます。
翌年には響30年が…更に白州18年も金賞受賞。
この辺りから国内の認識はもちろん、世界的にもサントリーウイスキーのブランディングが確固たるものへ変化を遂げ、販売量も上がっていきました。
そして…ウイスキー冬の時代にあげる事が出来なかった生産量の代償として品薄の時代が早々に訪れてしまいます。
「サントリー山崎12年」テイスティング・レビュー
サントリーウイスキー山崎12年の評価は?
テイスティンググラス に注ぎレビューしていきましょう。
カラーは黄金に輝く琥珀色。
香りは蜂蜜とバニラ、黄桃を伴うフルーティーで甘い香り。
口に含むとフルーティーな甘みと酸味がバランス良く広がる。
その後じわじわとミズナラを感じさせるウッディでスパイシーな味わいも顔を出し、複数さを演出。
ボディはミディアム程度で、黄桃やアプリコットを想わせる果実系の甘みと酸味。そこに混じり合う香木を思わせるスパイシーで気品ある香りだちがバランス良くジャパニーズウイスキーらしい繊細さを感じる。
フィニッシュでは再び度果実のような甘さが印象深く現れ、スパイシーな味わいと共に上品にゆったりと広がっていく。
加水すると果実系の甘みも去ることながら、ドライでスパイシーな一面も前面に現れ、少し違った印象を受ける。
ロックにすると、 ビターな印象を強く感じるが、同等に甘みも感じかなり飲みやすい。
ハイボールにしても、気品漂う その印象は変わらず、 山崎12年らしく華やかで甘やかで繊細。
水割りにすると穏やかでフルーティー、ネガティブなアルコール感を一切感じることがなく、この上ない飲みやすさ。
SuntoryWhisky Yamazaki 12years おすすめの飲み方
水割り・ハイボール・ロックどの飲み方でも、味わいが繊細に変化するのが面白い。
山崎12年のウイスキー原酒が持つ、様々なフレーバーが顔をのぞかせ味わい深く楽しめます。
しかし、山崎12年が持つ絶妙なバランスを最も細やかに感じとれたのはストレート。
日頃あまりウイスキーをストレートで飲まない方もにおすすめしたい味わい。
山崎12年orノンエイジ比較 違いは?
山崎ノンエイジと山崎12年を比べ、違いを一言で表すならば「味の深み…」
山崎12年には、ノンエイジにはないフルーティーでバニラを伴う上品な甘みを強く感じます。
山崎ノンエイジも基本的には甘く飲みやすいと感じるのですが、12年と比較すると際立つのはアルコール感を伴うスパイシーな印象。
違いは一目瞭然でした。
「山崎12年」コストパフォーマンス&評価 まとめ
SuntoryWhisky Yamazaki 12years
- 山崎12年はジャパニーズウイスキーの代名詞的存在
- 定価自体が大きく値上げ。
- 定価で購入できるのは稀
- ミニボトルを探してみるのも…
- 一度は飲んでおきたい旨さ
- 飲み方は万能
近年、サントリーによる度重なる値上げで、定価自体が高級ウイスキーとなってしまった「山崎12年」
改めて飲んでみると、その味わい・バランスはやはり素晴らしく、現在の品薄で入手困難な状態を誠に残念に感じます。
山崎12年は、ジャパニーズウイスキーの代表格ともいえ、海外のコンクールで様々な賞を受賞。
日本ではNHK のドラマ「マッサン」の放送を皮切りに、ジャパニーズウイスキーの国内需要が増加するなどの様々な要因が重なり、原酒不足による価格高騰・品薄が現在も続いています。
とてもコスパが良いとは言えず、家飲みウイスキーの定番アイテムに加えられる状況ではない様に思えます。
筆者の一番のおすすめの飲み方はストレートですが、飲み方は万能。
水割りやハイボールで食中に飲んだり…
ストレートでじっくり味わったり…
それなりに気軽に楽しめていた頃を懐かしく思います。
定価自体が値上がりした上、品薄からのプレ値で販売価格は乱立状態。
しかし本数は多くは有りませんが、ネット通販でも適正価格にて販売されている事も稀にあります。
取りあえず飲んでみたい、少量でも構わない、という方は流通量の多いミニボトルを探してみるのも良いかもしれません。
飲まれたことの無いかたは気長に探し、一度はお召し上がりになられる事をオススメします。
評価:コスパ普通
サントリーが山崎10年終売後にリリースしたNEWボトルの「山崎ノンエイジ」
ワイン樽貯蔵モルトを使用した新しい試み。
低価格とはいきませんが、流通も12年と比較すれば多少あります。
サントリーからギフト用にリリースされる限定品。
お中元、お歳暮などプレゼントにも喜ばれそうです。
世界最高ウイスキーに選出され、何かと話題の「山崎 シェリーカスク」
限定品、品薄により価格が高騰していますが、かなり濃厚で印象深い味わいでした。
頂いたのはだいぶ昔、ジャパニーズウイスキーの価格高騰以前ですが、、、
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いウイスキーLIFEを
山崎12年の次は「イチローズモルトホワイトラベル」
同じく国産ウイスキーで香り高くしかも安価です↓