ザ・マッカラン18年
- 蒸留所:マッカラン蒸留所
- 地域:スペイサイド・クレイゲラヒ村
- 熟成:18年 1996年蒸留
- アルコール度数:40 %
マッカラン蒸留所
シェリー樽熟成のウイスキーと言えばこの「マッカラン」を思い浮かべる人も多いのでは無いでしょうか。
日本でも多くの人々に愛飲されているスペイサイド地区を代表するシングルモルトウイスキー。
近年ではシェリー樽熟成以外の原酒も使用するようになってしまいましたが、まだまだシェリー樽熟成ウイスキーの代名詞といっても過言ではない『マッカラン』
マッカラン蒸留所の操業
出典:The Macallan
創業されたのは、1824年。
ハイランドで2番目に「蒸留ライセンス」を取得し、合法的にウイスキーの蒸留が行える政府登録蒸留所として歩んでゆくのですが、それ以前からウイスキー作りに携わっていました。
最初の政府公認蒸留所は、グレンリベットです。
マッカラン蒸留所はスぺイ川の中流クレイゲラヒ村の対岸の木々の中に位置。
マッカランと言えば『ウイスキーのロールスロイス』と称されますが、これはハロッズ(百貨店)が出した「ウイスキー読本」の中で絶賛されたことによる物です。
マッカラン蒸留所の麦芽品種
マッカラン蒸留所ではスコットランドの固有種でゴールデンプロミスと呼ばれる二条大麦を使用しています。
この品種は今は使用している蒸留所が少なく、
その理由は、ゴールデンプロミスを使用した場合、蒸留できるウイスキーの収量が少なくなってしまう事もあげられます。
最近ではゴールデンプロミスの生産農家も減少傾向にあり、マッカラン蒸留所が自社で栽培に乗り出しています。
ポットスチルと水
出典:The Macallan
マッカラン蒸留所では蒸留所下の5つの井戸から仕込み水を汲み上げます。
使われているポットスチルは、スペイサイド最少のストレートヘッド型。
需要の増加により1965年に6基から12基その後21期まで増設していくのですが、その際にも蒸留釜を大きくすることはありませんでした。
加熱方法にガスバーナーでの直火炊きを採用する事でオイリーでクリミーな原酒を作り出しています。
ウイスキー原酒の熟成
マッカランを作り上げるうえで、最も重要視されているのが熟成。
熟成樽の違いにより2つのシリーズを展開
- シェリーオーク シリーズ
- ファインオーク シリーズ
マッカラン18年はシェリーオークシリーズ。
熟成にはドライオロロソのシェリー樽を使用。
しかし近年ではシェリー樽不足が深刻化しています。
マッカラン・シェリーオークシリーズ
マッカランでは1976年シェリー樽を確保するためスペインのシェリー業者へ目を向け、自社で自らスパニッシュオークを使用した新樽を作り、シェリーの醸造業者へ無料で提供、2~3年の熟成を行いスコットランドに有る自社へ運び入れるという方法を取っています。
しかしそれでもここ数年のシェリー樽不足をくいとめる事はできず、バーボン樽熟成の原酒を使用した「ファインオーク シリーズ」がリリースされています。
マッカラン・ファインオークシリーズ
- ヨーロピアンオークのシェリー樽原酒
- アメリカンオークのシェリー樽原酒
- バーボン樽原酒
上記3タイプの熟成樽の原酒をバッティングしてボトリングされたシリーズ
マッカラン・ダブルカスク
- ヨーロピアンオークのシェリー樽原酒
- アメリカンオークのシェリー樽原酒
2017年3月に新しくラインナップに加わったマッカラン。
ヨーロピアンオークとアメリカンオークのシェリー樽原酒を使用して作られた100%シェリー樽熟成。
マッカラン蒸留所ニューオープン
2018年6月2日にニューオープンのマッカラン蒸留所の動画。
美しい蒸留所の風景とマッカランが出来るまでが収められています。
マッカラン18年 テイスティング・レビュー
マッカラン18年の評価は?
テイスティンググラス に注ぎレビューしていきましょう。
カラーは明るめで少々赤みのある琥珀色。
甘いドライフルーツにチョコレートを伴なった香りが上がる。
口に含むと少々オイリーさを感じるが、穏やかでスムースな味わい。
わずかに18年の熟成からくるスパイシーさが感じられ、フィニッシュに向かうと酸味と共にシェリーの香りに包まれていく。
少量加水する事で、シェリーの香りが前面に出てくる。
ロックにすると甘くスムースで飲みやすくは感じるが、香りが閉じこもってしまう感じは否めない。ハイボールにしても同様で、加水までにとどめておいた方が良い印象を受けた。
コストパフォーマンス&まとめ
近年のウイスキーブームによる原酒不足、シェリー樽の高騰とマッカラン蒸留所にとって決してよい環境とは言えない現状。
その中、安定して100%シェリー樽熟成の18年物を供給してくれているのは有り難いのですが、ここ数年に及ぶ数回の値上げにより手が届きにくい価格になってしまいました。
ボトル形状の変化、ラベルの変更を重ねるたびにシェリー樽の香り、味わいが薄れてきたように個人的には感じております。
↓90年代 この頃、流通していたマッカランは見るからに濃厚。
価格高騰、味わいの変化など色々あります。
しかしちょっと疲れている時や、穏やかな時間を過ごしたい時には欠かせない一本であることは間違いありません。
値段で考えても、コスパが最高に良いとは言えないかもしれませんが、ウイスキー愛好家ならば一度は一本を通してじっくり楽しんでみたいウイスキー
コスパ良好
ゴードン&マクファイル社が詰めるマッカラン。
シェリー樽、バーボンホッグス、ファーストフィル等様々なタイプがリリースされています。
好みで選ぶことが出来るので重宝します。
価格の面でも、コスパが良い物も結構多く有りますので、一度ご覧下さい。
マッカランのウイスキー責任者であるボブ・ダルガーノ氏が最も好むアルコール度数42.8°でボトリング。
620本限定のハイクラスレンジのマッカラン。
光り輝く特徴的なボトルから、「リフレクション(反射)」と名付けられた。
かなりの価格ですが、どこかで見かけたら一度口にしてみたいものです。。。
スモーキーなマッカランもリリースされています

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最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いウイスキーLIFEを