近年、国産ウイスキーを始め、相次ぐ値上げ&終売でどこか高級酒に感じてしまうウイスイキー。
ウイスキー好きにとっては、まさに逆風といった状況…
しかし、そんな状況下でも
安い価格で美味しい国産(ジャパニーズ)ウイスキーは存在します。
山崎や白州・余市が安い価格でスーパーの棚に並び、気軽に買えていたのは遥か昔…。
これからはネット通販も駆使して安くて旨いウイスキーの銘柄を探しましょう
この記事では4,000円以下(執筆後、価格高騰で値上がりしたウイスキーも…)の価格を中心に、日々の晩酌におすすめの利用しやすい銘柄に限定して紹介していきたいと思います。
ジャパニーズ(国産)ウイスキーの現状
日本にウイスキーが初めて登場するのは1853年。
ペリー提督による黒船来航のとき。
その後、輸入が始まり国内でウイスキー需要が少しずつ広がりをみせ、最初の国産ウイスキーが登場するのが1923年。
そこから紆余曲折はありますが、世界5大ウイスキーに数えられるほどの進化を見せ、現在では数々のコンペティションで優秀な成績を収めるほどに…。
国内でもNHKで放送された竹鶴政孝氏の半生を描いたドラマ「マッサン」が大ブームをおこしジャパニーズウイスキーへの注目が一気に高まりました。
しかし、それと同時にハイボールブームなども合わさり急激な需要拡大による原酒不足という大きな問題が発生。
これが海外からの日本のウイスキーへ対する高評価と合わさり、現在の相次ぐ素晴らしい国産ウイスキー銘柄の終売や値上げへ繋がる主だった理由。
このような現状でも各メーカー原酒不足の中、素晴らしいアイデアと技術力でコスパの良いウイスキー作りに励んでいます。
ここからは、飲み手にとって逆風と言わざるをえないジャパニーズウイスキーの中でも「安くて美味い」と思えるおすすめの銘柄を紹介していきます。
イチローズモルト ホワイトラベル
秩父に蒸留所を構える「株式会社ベンチャーウイスキー」
イチローズモルトはその秩父蒸留所で生産される国産ウイスキー。
国内外からの人気が高く、定価以上での取引が多くみられ、入手困難と言わざるを得ません。
ラインナップの中で、唯一安い価格で安定的に流通しているのが「イチローズモルト ホワイトラベル」
ネット通販でも3,000円台で流通している事も有り、コスパも優秀。
国産ウイスキーならでは、イチローズモルト特有の香木を想わせる気高い香りに触れる事が出来ます。
「イチローズモルト ホワイトラベル」定価や味わいをレビュー↓
静岡蒸留所「ブレンデッドM」
静岡に2016年に創業したガイアフロー静岡蒸留所。
その地で製造された初のブレンデッドウイスキーが「ブレンデッドM」
海外産のモルトウイスキーとブレンデッドウイスキー、そして静岡蒸留所のモルト原酒を合わせて作られたブレンデッド・ウイスキー。
甘やかで万人受けする柔らかな味わいはフルーティーでバナナを思わせます。
ウイスキー愛好家にも初心者にもおすすめしたいウイスキー
ストレートでも旨い…
ロック・水割り・ハイボール、飲み方を問わず楽しめる国産ウイスキー。
定価は3千円台でコスパ的にも素晴らしいのですが、現時点では流通に安定が見られません。
悲報…改悪、残念ながら最高コスパと感じていた「ブレンデッドM」700mlで登場したボトルが500mlに変更されてしまいました。
バナナ…オレンジ…ガイアフロー静岡蒸留所の原酒の魅力に触れる↓
ニッカウヰスキーでも安い銘柄を探す
ニッカといえば余市や宮城峡・竹鶴といった銘柄が思い浮かびますが、今回は安くて旨いウイスキーがテーマなので、それ以外の銘柄のウイスキーに焦点を当ててみたいと思います。
ハイニッカ
1964年に販売が開始され、今なお息づくニッカウヰスキーの長寿ブランド
ハイニッカの「ハイ」とは当時流行していたオーディオに使われていた言葉「Hi-Fi」のハイから取ったもの。
良い商品を気軽に飲めるようにとの竹鶴氏の想いが込められています。
古い銘柄が相次ぐ終売の波に飲み込まれていく中、根強いファンに支えられているウイスキーの一つ。
昔ながらの味を気軽な価格で楽しめます。
フロム・ザ・バレル
モルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒をブレンド後、更に数か月の追熟を行いボトリングされたウイスキー
アルコール度数が51度。
ハイプルーフを誇りますが、満足度の高い味わい
ストレートで味わいたいと思わせるウイスキー。
ウイスキー愛好家にもおすすめ
ブラックニッカ限定品(終売)
※追記
記事執筆時点ではまだ、購入可能でしたが…
現在残念ながら終売&かなりの値上がりをしてしまいました。
削除しようかとも思ったのですが…
これから先ブラックニッカの限定品がリリースされた際、スペック等参考になるかと思うので残しておきます。
ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ
余市蒸溜所で長い年月を過ごした原酒
新樽熟成のモルト原酒
バーボン樽で熟成を重ねたカフェグレーン
上記3種の原酒をブレンド
新樽由来の樽香に程良く絡み合うスモーキーフレーバー
ストレートで楽しむに十分値するするウイスキー。
ブラックニッカ クロスオーバー
ヘビーピートでスモ―キーな原酒とシェリー樽熟成でフルーティーな原酒をメインにブレンドして作られたウイスキー。
ブラックニッカとは思えない濃い味わいで高い満足度がえられます。
程良いインパクトのピートが好印象。
数量限定品ではありますが現在まだ購入可能!
終売する前に
ブラックニッカ アロマティック
こちらのウイスキーも上記「クロスオーバー」に続き、ブラックニッカの数量限定品
果実を連想するスウィートな味わい。
ここまでの低価格でシェリー樽原酒を感じさせるウイスキーは他にはありません。
ハイボールだけでなく、ストレートで飲んでも満足感が得られます。
ブラックニッカの限定品ランキング
ブラックニッカの限定品はとにかく飲む価値アリです。
個人的にランキングを付けると
定価で考えると、ブレンダーズスピリットがコスパ最高。
しかし発売日から時間が経過し、現在は値上がりしています…。
2位と3位はほぼ同率と感じています。
現状の価格を考えると「ブラックニッカ・ディープブレンド ナイトクルーズ」が最もオススメ。
数量限定ウイスキーなだけに時間経過と共に値上がりも考えられます。
※追記
最近、結構値上がりしてしまいました。
サントリーにもある!安い国産ウイスキー
入手しづらくなってしまった山崎や白州・響だけがサントリーではありません。
終売になる銘柄が相次ぐサントリーですが、入手可能なウイスキーを今のうちに飲んでおきましょう。
サントリー ウイスキー ローヤル
山崎や響きが発売される前から、国産高級ウイスキーの代名詞の役割を担ってきた「ローヤル」
ボトル形状は「酒」の作りの部分「酉」の形にならったもの。
キャップは山崎蒸留所の奥にあるという鳥居にちなんでいます。
サントリーの創業者であり初代マスターブレンダーの鳥井信治郎氏が作り上げた華やかでありながらすっきり飲みやすいウイスキー。
安い店舗なら、2,000円台での購入可能。
サントリー 角瓶 復刻版
国産ウイスキーブームを作った「ハイボール」
その立役者はサントリーの角瓶
角瓶復刻版は、発売当初の味をブレンダーがテイスティングし、その味わいを現代に再現したウイスキー。
コクや深みが現在の商品とはまったく違います。
角瓶ファンは一度飲む価値あり、おすすめです
サントリー ウイスキー スペシャルリザーブ
白州蒸留所のウイスキー原酒がキーモルトとして使用。
軽くて飲みやすいブレンデッドウイスキー。
食事中などのハイボールとしてはもってこい。
重厚なウイスキーが好みの方は「リザーブ」よりも上記のウイスキーを選んでください。
マルスウイスキー
サントリー・ニッカ・イチローズモルトに次いで上げられる「マルスウイスキー」
マルスウイスキーが誕生したのは1960年、歴史も長く国産ウイスキーを語るうえで外すことが出来ないウイスキー。
ツインアルプス
マルス信州蒸溜所が位置する「中央アルプス」とその東方「南アルプス」ふたつのアルプスの雄大さをイメージして作られたマルスのブレンデッドウイスキー。
この価格帯のウイスキーの中では、アルコール感をあまり感じず好印象。
甘味は感じられるものの、少々淡白に感じる。
スッキリした味わいのハイボールがお好みの方にオススメの一本。
岩井 トラディション
国産(ジャパニーズ)ウイスキーの歴史になくてはならない人物、岩井喜一郎氏への尊敬と感謝の念を込めて詰められたブレンデッドウイスキー
竹鶴政孝氏の上司に当たる人物です。
ソフトで飲みやすい甘み、熟成感も多少感じられるのでロックやハイボールなど多岐に渡り楽しめるウイスキー
その他の銘柄の安い国産ウイスキー
国産ウイスキーブームの勢いを味方につけ、日本各地にたくさんのクラフトディスティラリーが誕生しました。
現在どの蒸留所も安価なウイスキーを生産するほどの余力はまだないようですが、これまで上げてきたウイスキー造りの老舗以外にも安い国産ウイスキーを造り出している生産者がいます。
キリンウイスキー 富士山麓 樽熟原酒 50° ※終売
富士御殿場蒸留所でキリンによって作られているウイスキー。
50度というパワフルなアルコール度数で存在感を放っていたこのウイスキーも残念ながら終売が決定してしまいました。
購入が可能なうちに一度は飲んでおきましょう。
アルコール度数が強すぎるという方も加水するとで十分に楽しめ、それなりの満足度がえられます。
以前コチラの記事で触れました
※追記
残念ながら終売
しかし、新たに「富士山麓 シグニチャーブレンド」にモデルチェンジしました。
キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士
2023年に登場した、富士御殿場蒸留所で国産シングルモルトウイスキー原酒だけで生産されたウイスキー。
販売価格は5千円前後
ストレートでもハイボールでも気軽に楽しめる味わいで飲みやすく穏やか。
2023年ISCでゴールドメダル受賞。
ある程度 供給が安定しているのもありがたい。
同価格でグレーンウイスキーとブレンデッドウイスキーもラインナップ
甲州韮崎ウイスキー ピュアモルト
値上がり必至の国産ウイスキー。
この安い価格でモルトウイスキーというのはそれだけで貴重。
使用原酒など、国産(ジャパニーズ)ウイスキーとして賛否両論あるかと思いますが、価格以上の満足度はあるように思えます。
こちらの記事で触れています
笹の川酒造 ブレンデッドウイスキー 山桜 黒ラベル
笹の川酒造が製造するブレンデッドウイスキー「山桜」
軽やかなボディで飲み心地の良いウイスキー。
スッキリとした印象で初心者の方にもおすすめの銘柄。
食事中のハイボールとしてこの軽やかさは重宝します。
ストレートやロックでは物足りなさを感じましたが…。
「4,000円以下で安いおすすめ国産ウイスキー」まとめ
ジャパニーズウイスキーは日本国内のみならず、世界中で高い評価を得ています。
それ自体は喜ばしい事ではあますが現在の入手困難&終売、そして相次ぐ値上げの繰り返しの状況はウイスキー愛好家として悲しい所でもあります。
まさに安い国産ウイスキーを探すのは困難な時代…
筆者自身も以前は、竹鶴や余市・山崎10年を購入して晩酌を楽しんでいたのですが、最近はめきっりスコッチモルトの比重が増えつつあるのが現状。
緑色の山崎10年のラベルが酒販店だけでなくスーパーなどでも溢れかえっていた頃が懐かしく思えます。
この価格帯の国産ウイスキーでは、ストレートで飲んで満足できる銘柄はやはりそう多くはありませんでした。
しかし、昔ほどでは有りませんがまだまだ「安いのに美味い」と思える国産ウイスキーも存在します。
特に「ハイボールに合うウイスキー」と感じる国産銘柄はまだまだあります。
今一度、国産ウイスキーに目を向け、日本人が作りだす繊細でどこか落ち着きのある味わいに包まれながら穏やかな夜を過ごすのも良いかもしれません。
ハイボールがお好きな方はコチラの記事も合わせてどうぞ
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いウイスキーLIFEを
4,000円は少し超えますが、サントリー季 も良いウイスキーでした。
海外向けでハイボールとの相性も抜群
味わい深いウイスキーが好みならスコッチ・シングルモルトがおすすめ
日常ユースに合う低価格なウイスキーを選びました↓