シングルモルトウイスキーを安定供給している蒸留所の中では最北端の蒸留所「ハイランドパーク」
公式ラインナップのフラグシップ的存在
ハイランドパーク12年
スコットランド最北端という特異な自然環境が織りなす特徴的な味わいからウイスキー愛好家からも高い評価を得ています。
この記事では実際にハイランドパーク12年をテイスティングし、味わいやおすすめの飲み方などをコスパで評価していきます。
ハイランドパーク12年
- 蒸留所:ハイランドパーク蒸留所
- 地域:オークニー諸島メインランド島
- 熟成年数:12年
- アルコール度数:40 %
ハイランドパーク蒸留所
出典:ハイランドパーク公式
ハイランドパーク蒸留所といえば世界最北端のウイスキー蒸留所として有名。
この名は、蒸留所が立つその地に由来しています。
オークニー諸島の中心部カークウォールの町を見下ろす高台の丘、その地がハイパークやパークヒルと呼ばれていたことからハイランドパークと名付けられました。
ハイランドパーク蒸留所は1795年、密造者としても有名なマグナス・ユウソンの密造所があった場所に建てられています。
彼は「闇のヒーロー」として語り継がれ、その活躍にインスパイアされて作られた『ハイランドパーク ダーク・オリジンズ』が以前リリースされ大人気となりました(現在は終売)。
ハイランドパークの仕込み水
ハイランドパークの仕込みに使われる水はカティーマギーの泉から引いており、スコッチウイスキーを仕込むのにはあまり適さないとされている硬水を使用。
硬水を仕込み水に使用する蒸留所としては、ハイランド地方にあるグレンモーレンジ蒸留所が有名。
ハイランドパークの特徴はフロアモルティングと熟成樽から
出典:https://www.highlandparkwhisky.com
ハイランドパーク蒸留所では、最近では少なくなったフロアモルティングを一部ではあるが行っているのも特徴。
若いピートを蒸留所独自で切りだすなど、ハイランドパークならではの手法がヘザーハニーと称される強い印象を持つボディの形成を担っているようです。
熟成には自社で調達した樽にシェリーを熟成させるため、スペインに持ち込み、その後再び取り寄せ、スコットランドでも寒暖の差が少なく寒冷な気候のもとで樽熟が進められます。
ハイランドパーク12年
ハイランドパーク12年物はファーストフィルのシェリー樽を20%使い、残りをリフィルのシェリー樽で熟成された原酒で構成されます。
このクラスのスタンダード品の中では、重厚さにおいて頭一つリードしている印象を受けます。
ハイランドパーク12年は大変高い評価で、以前ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン氏も
『全モルトウイスキーの中で、もっともオールラウンダーで秀逸な食後酒』
とコメントし、採点でも90点とオフィシャルスタンダード品としてはかなりの高得点を付けています。
「北の巨人」と呼ばれるのもこのあたりからではないでしょうか。
しかし、それは現在流通のボトルではなく丸瓶の頃のもので味もかなり違います。
このボトルのユニークな所は画像右側のボトルの底面に描かれているオークニーアイランズの文字と共にオークニー諸島が描かれている所です。
現在の物よりもかなり濃厚で、少々柑橘系の酸味を感じ華やかな印象でした。
こちらのハイランドパークは、上記の画像のボトルよりもさらにひと世代前のボトル。
この頃のハイランドパークの濃厚な味わい、忘れられません。
マイケル・ジャクソン氏と言えば「モルトウィスキー・コンパニオン」が有名ですが、こちらの書籍もスコットランドのウイスキー作りの美しい景色が多数掲載されており、読み応えがあります。
「ハイランドパーク12年」テイスティング・レビュー
ハイランドパーク12年の評価は?
テイスティンググラス に注ぎレビューしていきましょう。
カラーは濃いめの琥珀色
フルーティーでヘザー、シェリーと完熟フルーツを感じる香りが立ち昇る。
口に含むとヘザーハニー、シェリー、ダークチョコの甘みが広がりややオイリーな感じでそれらが混ざり合います。
ボディはフルボディとまでは言い切れませんが重厚。
フィニッシュに向かうにつれ、穏やかなスモーキーさと、樽香からの渋みが現れます。
加水することにより、甘みも増す様に感じるのですが、スパイシーさがより強く顔をだし、ユニークな味わいに変化。
ストレートも良いですが、少量の加水で召し上がるのも一興です。
コストパフォーマンス&まとめ
- 熟成年数よりも深く感じられる熟成感
- ストレートでゆったり飲みたいウイスキー
- 厚めのボディからはシェリー樽の味わいも
島ものモルトウイスキーである特徴もしっかりと出ていてフルボディで満足度も高いハイランドパーク12年。
最近、同じオークニー諸島で生産されるシングルモルトウイスキー「スキャパ」の安定した流通が困難になってきていますのでその重要性はさらに高まる様に思います。
ゆったりとくつろぎたい時、気持ちを落ちつけながら頂く一杯に最適ではないでしょうか。
一世代前のボトルと比べると味の華やかさが落ちた事は否めませんが、タイプ違いのシングルモルトとして十二分にこの価格なら満足できるのではないでしょうか。。。
コスパ優良
免税店向けの限定ボトルです。
酒名は伝説のヴァイキング“リーフ・エリクソン”が由来で 熟成樽違いの逸品。
このコスパは見逃せません。
コチラの18年物はシェリー樽の比率が45%と高く、コクも強く飲みごたえがあります。
何よりバランスがとてもよく、一度は飲んでみる価値ありの1本です。
北欧神話から生まれたシリーズで、ボトルの置台もとても印象的です。 カスクストレングスで詰められ、それぞれキャラクター付けがされています。 高価格帯商品では有りますが、見かけたら一杯くらいは。。。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いウイスキーLIFEを