アイラモルト好きの間で根強い人気を誇る
『ビッグピート(Big Peat)』
ラベルに描かれた強面?愛嬌のある?おじさんは誰なのか?
中身の原酒はどこの蒸溜所なのか?
そしてグーグル検索でも上がる「まずい」と噂されるその味わいはいかに…
本記事では、ウイスキー愛好家の間で話題となる
- ビッグピートの中身の原酒の正体
- おじさんラベルの意味
- おすすめの飲み方
- まずいのか?コスパで評価
など徹底解説。
さらに実際にテイスティングし、香りや味わい、飲み方ごとの変化をレビューします。
「ビッグピートを買うべきか迷っている方」「おじさんラベルの意味や中身を知りたい方」「まずい?うまい?リアルな評価が気になる方」にお届けする内容です。
ビッグピート(Big Peat)とは?
銘柄 | ビックピート |
---|---|
生産者 | ダグラス・レイン社 |
定価 | 6,700円 |
種類 | ブレンデッド・モルトウイスキー |
アルコール度数 | 46度 |
飲みやすさ | |
当ブログコスパ評価 | |
味わいを一言で | 駆け抜けるスモーキーフレーバー、アイラモルトの王道的味わい |
インディぺンデントボトラーであるダグラスレイン社の看板商品ともいえる「ビッグピート」
実飲した筆者の結論は「個性とコスパ、両面で優れたウイスキー」と評価できます。
近年、オフィシャル・インディペンデントボトラーズ問わず、アイラモルトの価格上昇が続くなか、良質なキーモルトをこの価格帯で楽しめるのは大きな魅力。
ウイスキー愛好家にとっても、一度は試してみる価値がある一本といえるでしょう。
ビッグピートは、背景を知ることでその個性がより際立ちます。
ここからはブランドの成り立ちや特徴、そして「なぜビッグピートが特別なのか」を掘り下げていきましょう。
ビックピートを作るダグラスレイン社とは?
ビックピートを手がけるのは、1948年創業の独立系ボトラー「ダグラスレイン社」。
もともとブレンデッドウイスキーの輸出業からスタートし、長年にわたりシングルモルトやブレンデッドモルトのボトリングで評価を築いてきました。
現在も家族経営を貫き、「チルフィルターなし・カラメル着色なし」といった原酒そのものの個性を大切にする哲学でボトリングを行っています。
Big Peat represents all that is Islay in a bottle. Part of the Remarkable Regional Malts range, the ultimate distillation of Scotland’s Malt Whisky Regions.
出典:ダグラスレイン公式
公式サイトでも、ビッグピートは「アイラ島の真髄を凝縮したブレンデッドモルト」と紹介されています。
ダグラス・レインの歴史&生産するウイスキーの種類まとめ↓

「ビッグピートの中身」キーモルトでアイラの個性が光る
ビッグピートは、アイラ島の複数のシングルモルトをブレンドしたブレンデッドモルト・ウイスキー。
中身に使用される原酒(キーモルト)は、アードベッグ・カリラ・ボウモア、そして閉鎖蒸溜所のポートエレンといった贅沢な構成。
この4つのウイスキー原酒が合わさることで、スモークとフルーティーなバランスを取り、調和を支える存在。
といった要素が重なり合い、「これぞアイラ島!」という複雑な個性を楽しめる一本に。
また、ノンチルフィルター・ノンカラーリングで瓶詰めされるため、アイラの個性がストレートに表現されているのも特徴の1つ。
そして、特筆すべきはやはり「ポートエレン」の存在。
1983年に閉鎖以来、年を追うごとに貴重な原酒となり、現在では超高額ウイスキーの筆頭に…。
使用比率は非公開、少量だとは思いますが、ウイスキー愛好家として心躍ります。
フェノール値40PPMの強烈スモーキーフレーバー
ビッグピートのフェノール値は40PPM
これはヘビーピートに属する値。
ウイスキーの「フェノール値」とは、ピート由来のスモーキーさを数値化した指標で、数値が高いほど強烈なスモークを感じます。
ビッグピートは40PPMとされ、アイラモルトの代表格であるラガヴーリンやカリラと同等クラスのスモーキーさを誇ります。
アイラ特有のヨード香や海のニュアンスをしっかり堪能できる、ヘビーピート愛好家向けの味わいです。
スペック&おじさんラベルの意味とデザインの秘密
- 定価:6,700円
- 容量:700ml
- アルコール度数:46%
- ノンチルフィルター(冷却ろ過なし)
- ノンカラーリング(着色料不使用)
ユニークでインパクトのあるビッグピートのラベル。
これはただのイラストではなく、ブランドの遊び心やアイラらしさを象徴したもの。
少々強めのアルコール度数もウイスキーの味わいが重厚に感じられる一つの要因。
ここからは、そのキャラクターに込められた意味やデザインの背景を掘り下げていきましょう。
「ビッグピート」名前の由来”まずい”と検索される理由
ビッグピートのボトルに描かれている、強面?で無精ひげを生やしたおじさんキャラクター。
彼こそが「ビッグ・ピート」です。
「Big Peat(ビッグピート)」という名前は…
- Big Peat “大量のピート”を意味する(味わいの強烈さを象徴)
- Big Pete “風に吹かれる?ピートおじさん”というキャラクターを掛け合わせた言葉遊び
この2つから生まれたもの。
ラベルに描かれた“アイラのおじさん”は、アイラ島を象徴するタフで無骨なイメージ「Big Pete」を擬人化したキャラクター。
その表情からは、強烈なスモーキーさや荒々しさを感じさせつつも、どこか憎めない愛嬌があり、まさに「クセが強いけど愛されるアイラモルトの象徴」として描かれています。
ピートとは泥炭。
こちらの記事で詳しく解説しました↓

余談ですが、日本語検索ではしばしば「ビッグビート」と誤記されることがあるようです。
これは「Peat(ピート)」のスペルが「Beat(ビート)」と似ているため混同されやすく、ビッグビートも検索ワードとしてあがってくるようです。
「おじさんラベルはダサい?」「まずい説」との関係
検索すると「ビッグピート まずい」といった声も見られますが、これはラベルのおじさんの荒々しい見た目と、中身(実際の味わい)が「アイラの個性全開」だから…。
- ピートやスモーキーフレーバーが苦手な人 → 「まずい」
- アイラモルトを愛する人 → 「アイラの魅力を凝縮した最高のブレンデッドモルト」と評価
このように好みが真っ二つに分かれるボトルだからこそ、「おじさんラベル=クセの強さの象徴」としてウイスキー愛好家から“高評価ウイスキー”として支持されているのです。
「ビッグピート」種類と違い
ビッグピートは通常ボトル以外にも、限定品や長期熟成品がリリースされており、コレクションや飲み比べでも人気があります。
ここでは定期的にリリースされている代表的なシリーズ3種類を簡単に紹介します。
ビッグピート12年
ビッグピートの中では珍しい年数表記付き。
12年の熟成によりスモークの角が取れ、より滑らかで甘みのある味わい、通常版より落ち着いた印象。
現在は定番商品としてラインナップ
ビッグピート アイラフェス(Feis Ile Edition)
アイラ島で開催されるウイスキーと音楽の祭典「アイラフェス」に合わせて毎年リリースされる限定ボトル。
ラムカスクや赤ワインカスクなど定番商品では使用されない熟成樽の使用が魅力的なウイスキー
カスクストレングス仕様も多く、通常版よりもパワフルで厚みのある味わいを堪能できます。
ビッグピート クリスマスエディション
2011年から2023年まで毎年冬に登場した恒例の限定品。
通常版よりアルコール度数が高め(カスクストレングス)に設定。
シェリーカスクの使用など、毎年異なるレシピで登場。
寒い季節にぴったりな濃厚さとスモーク感でコレクター人気も高いシリーズ。
この3種類以外にも、ビッグピートは不定期でさまざまな限定ボトルをリリース。
新作が発売された際には、本記事に追記して最新情報をお届けします。
ビッグピート テイスティング・レビュー
ビッグピートの評価は?
実際にテイスティンググラスに注ぎレビューしていきましょう。
カラーは薄く透き通るペールイエロー。
香りは、スモーキーでフレッシュ 奥から蜂蜜と柑橘を感じる。
口に含むとオイリーでトロリとした舌触りと甘み。
まず初めに直線的なスモーキーフレーバーが口中を支配する。じきに原酒の若さからくるパワーを感じ、ビターでスパイシーな味わいがインパクトを残す。
ボディは心地よく軽やかで、甘みを伴うクリーミーなテクスチャーがスモーキフレーバーと同居してバランスよく感じる。
飲み進めていくと、複雑なピートの香りとコーヒーを思わせるほろ苦さが折り重なる。
原酒の若さは感じるが、フレッシュなスモーキーフレーバーに好感が持てる。
フィニッシュには煙とピート、炭を足したような香りが鼻孔に上がってくる。
そこにはちみつの甘みと柑橘の爽やかな香りが混ざり合う。
スモーキな余韻が長く続く。
加水すると、意外と穏やかに感じるが、キレのあるピートの香りが変わらず漂う。
ロックにすると、ドライでスパイシーな味わいが際立つが、フィニッシュに甘さを残す。
ハイボールにすると、爽やかでキレがあり、麦芽の甘さとピートの香りが下支えする香り高いスモーキーハイボールに。
BIG PEAT「おすすめの飲み方」
ビッグピート飲み方で、筆者が好み、おすすめしたいのがハイボールとストレート。
しかし、それ以外でもそれぞれでの飲み方での印象が異なりおもしろい。
ストーレトでは原酒の若さは感じるものの、複雑で味わいにボリューム感を感じる。
アイラモルトの王道的な味わいで、スモーキーフレーバーを欲してるときには満点で答えてくれる味わい。
ハイボールでは爽やかな酸味とピートの香りががシンプルで心地よい。
飲み応えがあり、印象深くあと惹く味わい。
ビッグピート「中身のウイスキーは?」レビュー&評価まとめ
BIG PEAT(Islay Malt Whisky)
- アイラモルトらしくスモーキな味わい
- 中身のウイスキー(キーモルト)が豪華
- おじさんのラベルには意味がある
- まずい…と感じる可能性も
- コスパが良いおすすめのウイスキー
インディペンデントボトラーズであるダグラスレインの主力アイテム
『ビッグピート』
アイラ島を代表する蒸溜所の個性を一度に味わえるブレンデッド・モルト・ウイスキー。
キーモルトである中身の原酒構成は贅沢そのもの。
アードベッグの力強さ、カリラの爽やかさ、ボウモアのバランス、そして幻のポートエレンの気配まで…
まさに「アイラの魅力、凝縮ボトル」
ただし、その強烈なスモーキーさと薬品的なニュアンスから、好みが分かれる一本でもあり、まずいと感じる人が一定数いるのも事実。
- アイラモルトやヘビーピーテッドが好きな人
→ 飲んで後悔無し!愛すべき“おじさん”の味わいにハマるはず - ピートが苦手、初心者で飲みやすいウイスキーを探している人
→ 他のウイスキーから試した方が安心
ビッグピートの定価は6,700円。
昨今のアイラモルトの値上げ傾向を踏まえると、十分に妥当な価格設定といえるでしょう。
実際の流通価格は、記事執筆時点でAmazon最安値が5千円台半ば。
アイラモルトの定番であるラフロイグ10年(正規品・43度)と比較しても約1,400円安く、コストパフォーマンスは非常に高いと感じました。
アイラモルト特有のスモーキーフレーバーを欲したとき、王道の味わいでしっかり応えてくれるクオリティ。
さらに、幻のモルト「ポートエレン」が少量ながらブレンドされている点もファンには見逃せない魅力(使用比率は非公開)。
価格・味わい・希少性を兼ね備えたビッグピートは、ウイスキー愛好家にとって家飲みウイスキーのローテーションに加えて間違いなしだと筆者は感じています。
むしろ、繰り返し買いたくなるリピート候補の一本といえるでしょう。
これから流通量や価格が変動する可能性を考えても、見つけたときに手に取って損のないウイスキーではないでしょうか。
評価:コスパ最高
ダグラスレインと分社化したハンターレーンが生産する、アイラ島産のウイスキーを複数ブレンドしたブレンデッド・モルト「アイラジャーニー」。
スモーキーやピーティー、海藻や潮のニュアンスが強く、アイラらしい味わいと香りが楽しめます。
キーモルトにはアードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグなどの熟成7年前後原酒が使われ、なめらかな口当たりと複雑な余韻も特徴です。
ビッグピートが15周年を迎える際に生産された、アイラ島の複数モルトをブレンドし赤ワイン樽で追加熟成した記念限定ボトル。
アルコール度数50%で、特別なパッケージデザインも魅力、高級感あるアニバーサリーエディション。
アイラモルト(カリラ・ラフロイグ)2種をブレンドしたブレンデッドモルトウイスキー「コンパスボックス ピートモンスター」
ピート香とスモーキーさ、クリーミーな甘さや潮っぽさが絶妙にバランスされた味わいが特徴。
ウイスキー愛好家はもちろん、初心者でも飲みやすく、アート性あふれるラベルも印象的
アイラ島カリラ蒸留所のモルト原酒を5年以上熟成させたシングルモルトウイスキー「スモーキースコット」
ヨードや海藻、タール、焚き火の煙を思わせるスモーキーさと、モルトの甘み、爽やかなレモンピールやビターな余韻が特徴。
冷却濾過・着色をせず、アルコール度数は46%、アイラらしい若々しい活気。
カスクストレングスやソーテルヌウッドフィニッシュなど種類が豊富なのも魅力。
「スモーキースコット」レビューしました↓

最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いウイスキーLIFEを
ウイスキーは飲み方で味わいが変わる!?

ウイスキーの味わいが変わるグラス↓

ビッグピートの次はアイラの王に触れてみよう↓
