12年と比較&レビュー【山﨑Story of the Distillery2025】定価をコスパで評価
2025年、サントリー山崎蒸溜所から数量限定で登場した
『山崎 Story of the Distillery 2025 EDITION』
昨年の2024年版に続き、ファン待望のリリースとなりました。
果たして今年のボトルはどのような味わいを持ち、定価に見合う価値があるのか気になるポイントを実際にテイスティングしてレビューします。
さらに定番の「山崎12年」との違いを比較しながら、その魅力を徹底解説。
ウイスキー愛好家なら見逃せない一本を、筆者独自のコスパ評価と共におすすめの飲み方もご紹介。
数量限定で入手困難…「買うべきか、それとも様子を見るべきか」と迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
山崎Story of the Distillery 2025EDITIONとは?
銘柄 | 山崎ストーリー オブ ザ ディスティラリー2025EDITION |
---|---|
蒸溜所 | サントリー山崎蒸溜所 |
定価 | 16,500円(税込み) |
生産地域 | 大阪府 |
アルコール度数 | 43度 |
飲みやすさ | |
当ブログコスパ評価 | |
味わいを一言で | フルーティーで軽快、山崎らしさを随所に感じる味わい |
2024年に初めて登場した「Story of the Distillery」シリーズは、山崎蒸溜所の歴史や自然環境を映し出す限定ボトルとして注目を集めました。
2025年版も「物語と物造り」その流れを受け継ぎつつリリース。
これ以前の2023年までは、山崎Story of the Distilleryの前身として山崎リミテッドエディションが毎年限定発売されていました。
次の項では、シリーズ第2弾としての山崎 Story of the Distillery 2025 EDITIONの位置づけやボトルデザイン、そして入手の難しさについて詳しく見ていきましょう。
山崎蒸溜所限定シリーズの第2弾として登場
「山崎 Story of the Distillery 2025EDITION」は、サントリーが展開する蒸溜所限定シリーズの第2弾にあたるボトル。
2024年版のリリースが話題を呼び、今回もウイスキー愛好家の間で大きな注目を集めています。
シリーズ名の通り、山崎蒸溜所の歩みや理念をストーリーとして伝えることをコンセプトにしており、テイスティング体験を通じて「ウイスキー山崎の個性」に触れられる特別な1本となっています。
山崎ストーリーオブザディスティラリーのコンセプトなどは以前詳しく触れました

越前和紙ラベルに込められた日本の美意識
2025EDITIONのボトルには、福井県の伝統工芸である越前和紙を用いたラベルが採用。
その風合いは山崎蒸溜所を包む自然や四季の移ろいを象徴し、日本ならではの繊細な感性を表現。
柔らかな質感と光の反射が織りなす立体感は、手に取った瞬間に職人技を感じさせる仕上がり。
さらに化粧箱には蒸溜所の象徴である乾燥塔が描かれています。
箱に高級感がありご贈答品としてはもちろん、ウイスキー愛好家へのプレゼントに最適です。
同梱のリーフレットには貴重な写真やサイドストーリーが収められており、コレクション性をより一層高めています。
数量限定・抽選販売でしか入手できない希少性
「山﨑 Story of the Distillery 2025EDITION」は、数量限定生産でのリリースとなり、一般的な量販店では基本的に購入できません。
サントリー公式による抽選販売が中心となるため、入手のハードルは非常に高いのが実情です。
こうした希少性が、コレクターやウイスキー愛好家の関心をさらに高めているのが現状。
しかし、最近は少し落ち着いてきたのか、二次流通市場でも定価に近い価格で流通しているのを見かける事が有ります。特に1世代前のボトルがお得になっているように感じます。
山﨑Story of the Distillery2025EDITIONの定価と購入方法
数量限定で登場する「山﨑 Story of the Distillery 2025EDITION」は、ファンにとって見逃せない1本。
気になるのはやはり定価や購入方法ではないでしょうか。
ここでは、販売価格や抽選のスケジュール、そしてコスパの観点から見た価値について詳しく解説していきます。
定価はいくら?どこで買えるかを解説
「山﨑 Story of the Distillery 2025」の定価は山﨑12年と同じ価格設定。
プレミアムな限定品でありながらも国産ウイスキーとしては比較的手の届きやすい価格帯と言えます。
定価では「どこで買えるのか?」
基本的な販売先はサントリーの公式オンラインショップで、抽選販売方式での取り扱いとなります。
店頭での一般販売は少なく、しかも定価となると、入手方法は基本的に公式サイトでの抽選販売(とはいえ、最近ネット通販で定価に近い価格も見かけました)
抽選販売スケジュール(第1回・第2回)
2025年の販売は、以下のスケジュールで2回に分けて実施。
- 第1回応募期間:2025年3月17日(月)~4月17日(木)
※この期間中に2回に分けて抽選受付が行われます。 - 第2回応募期間:2025年7月31日(木)~9月3日(水)
※同様に、2回に分けて抽選受付が実施。
いずれの回も申込多数が予想されるため、ウイスキーファンはスケジュールをしっかり押さえておきたいところです。
定価16,500円は高い?コスパで考える価値
定価16,500円(税込)は一見高額に感じられるかもしれませんが、山﨑ブランドの限定ボトルであることを考えれば、むしろ適正かつ良心的な価格と評価されているようです。
しかし、同価格帯のスコッチシングルモルトと比較すると、筆者個人的には少し高値に感じているのが正直なところ。
華やかな香り立ちのクライヌリッシュなら2本買える…
アイラモルトの女王ボウモア18年と同クラス…
純粋にウイスキーを愛飲する愛好家の観点からは、山崎が極めてコスパが良いとは言えないかもしれません。
山﨑Story of the Distillery2025EDITION テイスティング・レビュー
山崎ストーリー オブ ディスティラリー2025の評価は?
実際にテイスティンググラスに注ぎレビューしていきましょう。
カラーはほんのり赤く染まった琥珀色。
香りはミルクチョコレートの洋菓子と杏子、奥にわずかに酸味を帯びたダークフルーツ。
口に含むと、まずはアルコールを感じさせない滑らかでとろりとしたテクスチャー。
甘味酸味のバランスが秀逸で黄桃を連想させるフルティーな味わい。
じきにじわりとペッパーやジンジャーが混ざり合うスパイシーな味わいが穏やかに湧き上がる。
ボディはミディアム。特筆する点は様々の異なるフレーバーが織りなすバランスの良さと爽やかで軽快な味わい。
飲み進めていくと、中盤あたりにシェリーカスクに由来するベリー系フルーツの味わいにガレットの風味が混ざったような複雑さを拾うことができた。
それと同時に穏やかではあるがウッディなニュアンスも感じ取れる。
フィニッシュでは山﨑の真骨頂ともいえるシェリー樽由来のリッチな香味が穏やかにじわじわと残る。
ベリー系のフルーティーな味わいとスパイシーな味わい、そこに加わるビターチョコレートのニュアンス、タンニンとスパイス感が心地よく複雑に繊細に絡み合い穏やかに続いていく…。
加水すると甘やかでフルーティーな味わいはそのままだかウッディなフレーバーが多少強く感じる。
ロックにすると滑らかな舌触りでフルーティーで飲みやすい。フィニッシュに上がるわずかなビターさも心地よい
ハイボールにすると軽やかで飲みやすく好感が持てるが、若々しさも感じる。
「おすすめの飲み方」山崎ストーリー オブ ザ ディスティラリー2025
山崎ストーリー・オブ・デイステラリー2025の複雑なフレーバーを感じ取るにはストレートが一番適していると筆者は感じました。
印象深いほど強烈な味わいではないのですが、飲む度に捕らえるフレーバーが変化する繊細な味わいを楽しむことができました。
同時にロックにした時の滑らかなテクスチャへの変化も面白く、あと引く味わい。是非とも比較して試してほしい。
「山崎12年と味わいを比較」違いは?
項目 | 山﨑12年 | 山﨑 Story of the Distillery 2025 |
---|---|---|
定価 | 16,500円(税込) | 16,500円(税込) |
入手方法 | 一般販売(実勢価格はプレミア化) | サントリー公式サイトでの抽選販売 |
香り | 熟した果実香+ほのかなバニラ | フルーティーで華やか、甘みが強調 |
味わい | 熟成感のある深み、王道のバランス | 複層的で軽快、限定仕様ならではの調整 |
余韻 | 長く続く果実香と樽香の余韻 | 山﨑らしいシェリー香+軽やかなフィニッシュ |
希少性 | 国際的に人気、流通量が少ない | 抽選販売限定で入手困難 |
カラーは、山崎ストーリーオブデイステラリー2025の方が若干赤みを伴っている。
飲み比べると味わいは同一線上にあり山﨑らしい味わいなのだと改めて気づく。
異なる点はストーリーオブデイステラリーの方が中盤からフィニッシュにかけて訪れるウッディで樽材にまつわるスパイシーな味わいが顕著に表れる点。
そこにシェリーカスク由来のほのかなベリー系の甘み。
しかし、ボディバランスやハチミツを思わせる甘味を伴う滑らかな味わい深さは、僅かですが山崎12年の方が深く優れている様に感じます。
筆者は山崎12年が好みでした。
共に申し分ない完成度で好みの分かれる所ではないでしょうか。
山崎Story of the Distillery 2025EDITIONコストパフォーマンス&評価まとめ
山崎ストーリー オブ ディスティラリー2025
- シングルモルトウイスキー山崎の限定品
- サントリーが年に1度リリース
- ミズナラ樽、シェリーカスクを使用
- 樽香は強すぎず爽やかな仕上がり
2025年リリース、本作で2作目となる
『山崎 Story of the Distillery 2025EDITION』
直感的に、筆者は味わいのクオリティに、山崎12年と同等クラスの完成度を感じました。
フルーティーな軽やかさを備えているため、ウイスキー愛好家はもちろん、初心者にも親しみやすい仕上がりで、国産ウイスキーの魅力を改めて実感できる1本。
一方で筆者は、サントリーが設定した定価については、正直「コスパが抜群に良い」とまでは感じていません。
しかし、この限定品ならではの山崎らしさをしっかりと堪能できる点を考えれば、定価で入手できるなら十分に価値があるとも感じています。
基本的には抽選販売以外での入手は難しいものの、近年は定価に近い価格で流通しているケースも見られます。
定価で手に入れたい方は、まずは前回リリースのボトルをチェックしてみるのもおすすめです。
味わいの完成度は非常に高く、山﨑らしさをしっかり感じられる…。
もし、出逢えたら…
一度味わってみてほしい一本です。
評価:コスパ普通
山崎蒸溜所で生産されるスモーキー原酒を使用して作られたウイスキー
空港限定で販売されているアイテム
ラベルにはストーリー オブ ディスティラリーシリーズと同様に越前和紙を使用
ニッカウヰスキー余市蒸留所が生産する余市グランデ
免税店限定のウイスキー
ヘビーピートモルト原酒と新樽熟成モルト原酒を使用した意欲的作品
長野・信州マルス蒸溜所で造られるジャパニーズウイスキー「シングルモルト駒ケ岳」
蒸溜所初となる定番シングルモルトウイスキー
多種類の熟成樽が作り出す駒ケ岳蒸溜所らしくフルーティーな味わい
ロイヤルを関する由緒あるハイランドモルト「ロイヤル・ブラックラ 12年」
シェリー樽由来のリッチな甘みとドライフルーツの香味が特徴的。
芳醇ながらも上品で飲みやすく、山崎を好む方に最適な1本。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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