ウイスキー愛好家に止まらず高い認知度で誰もが知るスコッチシングルモルトウイスキーの人気銘柄
『ザ・グレンリベット』
ストレートはもちろん、ハイボールでも愛飲されている銘柄。
最初に口にしたシングルモルトがこのウイスキーと言う方も 多いのではないでしょうか。
この記事では、グレンリベットの多岐にわたる種類や歴史をわかりやすくサラッと解説。
ウイスキーの味わいに触れ、 是非とも飲んでおきたいコスパ重視のグレンリベットを紹介していきます。
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ウイスキー「ザ・グレンリベット」とは
ザ・グレンリベットはスコットランドの中でもウイスキー産業が盛んな地、スペイサイド地方で生産れているシングルモルトウイスキー。
数あるシングルモルトウイスキー蒸留所の中でも五指に入る有名な蒸留所「グレンリベット」
ゲール語で静かな谷を意味するその蒸留所は、シングルモルトウイスキーの入門編とも言われ、その歴史も長く今や代名詞的存在。
多くの種類が生産されていますが、味わいの特徴を一言で言うならば…フルーティーで繊細、ウイスキー愛好家から初心者まで万人に愛される銘柄ではないでしょうか。
政府公認 第1号のシングルモルトウイスキー蒸留所
グレンリベット蒸留所の創業は1824年。
その年は、スコッチウイスキーの歴史の中でも記念すべき年となります。
前年の1823年、上院議員であったハイランドの大地主、アレクサンダー・ゴードンが小規模な蒸留所でも認可が下りるように、税率を下げる税制を提案。
その後に最初に政府公認の蒸留免許を取得したのが、グレンリベット蒸留所の創業者ジョージ・スミスでした。(ちなみに2番目は「ザ・マッカラン」)
後にこれが スコットランドの長い 密造酒時代の終幕に繋がるのですが、当時はジョージ・スミスただ一人だけが政府公認蒸留所という道のりを選んでいたため、かつての仲間達からは裏切者扱いを受け、命を狙われていたという話もあります。
ザ・グレンリヴェットが生まれるまで
グレンリベット蒸留所はリベット川 渓谷のほとり、空気が清涼で良質な水と豊富なピートに恵また ウイスキー作りにおいて最良な環境に位置します。
この付近、スペイサイド地方に蒸留所が多く点在するのは、こういったことが理由の一つに挙げられます。
使用する麦芽・仕込み水へのこだわり
グレンリベット蒸留所でメインとして使用されている麦芽はピートの香りを付けない大麦麦芽。
使用する麦は二条大麦、スプリング・バーレー。
スプリング・バーレーとは春に種が蒔かれる二条大麦の呼び名。
仕込み水は蒸留所の土壌からあふれ出る井戸水、ジョージーの湧水を使用。
ミネラル分が豊富な硬水を使用、青リンゴを想わせるようなフルーティな味わいはこの水質が影響しているともいわれています。
増設を繰り返す特徴的なポットスチル
出典:グレンリベット公式
蒸留するポットスチルはランタンヘッド型で、幅が広くボディの部分にくびれがある個性的なものを採用。細長いくネックが特徴で、この長いネックにより軽やかでクリアな味わいの原酒を生成。
ポットスチルの高さはなんとマッカランの2倍ほど。
第1蒸留塔には初溜釜・再溜釜共に4基づつの計8基を設置。
その後増設を繰り返し2018年には第3蒸留塔が完成し28基まで増設。
これにより、2,100万リットルものグレンリベットを年間で生産。
ニューポットのアルコール度数は、約68度。
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「ザ・グレンリヴェット」熟成樽の種類とその影響
ウイスキーの熟成は、樽の種類(樽材)や熟成期間によって風味が大きく変化します。
グレンリベット蒸留所は、熟成樽選びを慎重に行い、樽材の影響を受けた複雑な味わいを持つウイスキーを提供しています。
シェリー樽熟成のウイスキー は、ドライフルーツやナッツのようなリッチな風味を持ち、バーボン樽熟成のウイスキーは、甘さとスパイシーさが特徴的。
熟成の中核として使われる「シェリー樽&バーボン樽」
ザ・グレンリベットを熟成させるために使用される樽は、シェリー樽やバーボン樽を中心に多岐にわたります。
近年ではワイン樽を初め、ラムカスクなども積極的にフィニッシュに取り入れられています。
シェリー樽はスペイン産のオロロソシェリーを熟成させた後の樽で、ウイスキーにリッチでフルーティな風味を与えます。
シェリーカスク詳しく解説しました↓
一方、バーボン樽はアメリカ産のホワイトオークを使用しており、バニラやキャラメルの香りをウイスキーにもたらします。
グレンリベットの味わいの中核は、熟成によりこの2つの風味が混ざり合う事でを作り上げられていきます。
例を挙げると、フラグシップ的存在の グレンリベット12年は熟成の1/3をシェリー樽で行った原酒を使用していると言われています。
端正なラベル旧ボトルにはあざみ
グレンリベットのラベルは端正で美しく風格を感じます 。
販売されている時代ごとに描かれるシンボルやロゴ・肖像画に違いがあります。
旧ボトルには スコットランドの国花であるアザミが描かれ、格調高き風合い
時代ごとに描かれている場所やデザインが異なり、オールドボトルの流通時期を見分ける 1つの目安となります
この時代の 赤あざみ アンブレンデッド 表記のグレンリベット濃厚な味わいで感動したのを覚えています。しかし今では 価格が…
「THE」グレンリベット蒸留所
政府公認第一号を受け、程なくしてモルトウイスキーの代名詞と言われる までに登りつめてゆくグレンリベット。
その蒸留所の名声にあやかろうと、蒸留所名に「グレンリベット」の名を許可なく使用するウイスキー業者が増えてしまいます。
「マッカラン・グレンリベット」、「ダフタウン・グレンリベット」「アベラワーグレンリベット」などがその一例。
その数は1870年代には、18か所にものぼったようです。
現在ではウイスキー業界での名声・人気共に手中にあるマッカランがこれを行っていた事からも当時のグレンリベットの躍進ぶりが伺えます。
1880年代に入り蒸留所は訴訟を起こしそれ以降、 他と区別するため定冠詞「THE」を付けてよいのは「ザ・グレンリベット蒸留所」だけとなりました。
「グレンリベットの種類」コスパに優れるものは?
熟成年数や使用する樽の種類による差別化。
クレンリベットの種類は多岐に渡ります。
それぞれの個性や味わい・特徴を解説し、コスパに焦点を当ておすすめのグレンンリベットを星で評価していきます。
定価や実売価格は記事執筆時点の物です。
グレンリベット公式ラインナップ
日本国内正規販売店「ペルノリカールジャパン」が販売している公式定番ラインナップを紹介していきます。
比較的流通が安定していて、定価設定が安い商品も多々あります。
まずは安くてコスパに優れる3種類のグレンリベットから
ザ・グレンリベット12年
熟成樽 | バーボン樽/シェリー樽 |
アルコール度数 | 40度 |
定価(Amazon実売価格) | 7,502円(4,754円) |
コスパ |
グレンリベット12年はフレッシュでフルーティーな香りが特徴。
バニラ、洋ナシ、青リンゴ系シトラスのアロマが広がり、スムーズでクリーミーな口当たりが楽しめます。
ホワイトオーク樽がもたらすやわらかいスパイスとバニラの甘さが絶妙に調和。
シンプルながらも複雑さを備えており、ウイスキー愛好家だけでなく、初心者のエントリーモデルとしても最適。
グレンリベット12年の味わいをコスパで評価。
旧ボトルとの飲み比べやおすすめの飲み方など深掘り↓
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ
熟成樽 | アメリカンオーク樽(ファーストフィル) |
アルコール度数 | 40度 |
価格(Amazon実売価格) | 6,072円(3,730円) |
コスパ |
グレンリベット蒸留所の創業者ジョージ・スミスを称えて作られたファウンダーズリザーブは、フレッシュでフルーティーな香りが特徴。
グレープフルーツのビター感やリンゴの軽いアロマが広がり、スムーズな飲み口が魅力。
バーボン樽由来のやわらかなバニラの甘さが心地よいウイスキー。
グレンリベット ファウンダーズリザーブの味わいなど詳しく解説しました
ザ・グレンリベット カリビアンリザーブ ※EC限定
熟成樽 | ラムカスクでフィニッシュ |
アルコール度数 | 40度 |
価格(Amazon実売価格) | 5,610円(4,193円) |
コスパ |
グレンリベットカリビアンリザーブは、ラム樽での追加熟成により、トロピカルフルーツやバニラ、カラメルの甘い香りが特徴的。
エキゾチックなフレーバーが楽しめる一本で、ユニークな飲み心地が魅力。
フィニッシュに軽やかに漂うレーズンや樽香…ストレート、ハイボール飲み方を問わず常飲したくなるクセになる味わい。
インターネットのみで販売されている限定ウイスキー。
ザ・グレンリベット14年 ※EC限定
熟成樽 | コニャックカスクでフィニッシュ |
アルコール度数 | 40度 |
価格(Amazon実売価格) | 8,767円(6,980円) |
コスパ |
グレンリベット14年は、バーボン樽およびシェリー樽で熟成した原酒をコニャックカスクでフィニッシュ。
グレンリベット本来の味わいに、赤い果実やチョコレートの香りが加わり、よりリッチで複雑な味わいへの仕上がりを見せています。
シェリー樽由来のスパイスやナッツの風味…
コニャックカスクの深い香りと余韻…
スパイシーな後味も特徴的で、エレガントな余韻を残します。
ザ・グレンリベット15年
熟成樽 | フレンチリムザンオーク |
アルコール度数 | 40度 |
価格(Amazon実売価格) | 9,757円(8,332円) |
コスパ |
フレンチオーク樽による追加熟成が行われることで、豊かなスパイシーさとトフィーのような甘さが特徴的。
グレンリベット15年は、香ばしいナッツやシナモン、クローブの風味が複雑に絡み合い、長い余韻が楽しめるウイスキー。
フレンチオーク特有のリッチなテクスチャーが口中に広がります。
ザ・グレンリベット18年
熟成樽 | バーボン樽/シェリー樽 |
アルコール度数 | 40度 |
価格(楽天 実売価格) | 16,544円(9,898円) |
ファーストフィルとセカンドフィルの アメリカン・オーク樽とシェリーカスクを使用して作られたグレンリベット18年。
長い熟成期間からくる非常に複雑で深みのある風味が魅力。
オレンジやドライフルーツ、スパイス、ダークチョコレートの香りが調和し、シルクのような滑らかな口当たりが特徴。
熟成による重厚なコクと長い余韻がウイスキー愛好家に支持されています。
ザ・グレンリベット21年
熟成樽 | シェリー樽/コニャック樽/ポートワイン樽 |
アルコール度数 | 43度 |
価格(Amazon実売価格) | 33,462円(30,700円) |
3つの異なるタイプの熟成樽が織りなす長期熟成による非常にリッチな味わいが特徴のグレンリベット21年。
「ザ・グレンリベット」の特徴である滑らかでフルーティなスタイルに、さらに深みのある甘さとドライフルーツやアプリコットのリッチな香りに加え、スパイス、古い皮革のような風味が感じられ、深い複雑さと長い余韻が楽しめます。
パッケージは、ブランドの象徴的な色であるターコイズブルーをアクセントカラーに、高級感のあるブロンズ色とエンボス加工を施した現代的で重厚感のあるデザインが特徴。
長期熟成のため、希少性も高く特別な日のためのウイスキーです。
ザ・グレンリベット25年
熟成樽 | バーボン樽/シェリー樽/コニャック樽 |
アルコール度数 | 43度 |
価格(Amazon実売価格) | 61,100円(56,980円) |
バーボン樽とシェリー樽で熟成されたグレンリベット原酒を、ペドロヒメネスのシェリーカスク、コニャックカスクの2種類の樽でフィニッシュ、使用するフィニッシュ樽は共にファーストフィル。
シェリー樽由来の甘いイチジクとブラッドオレンジの魅惑的なフレーバーは、コニャック樽由来のジンジャー、トーストしたオーク、焦がしたパイナップルといった極めてリッチで複雑な風味を持つアロマによって引き立てられ、豊かで優しいスパイス香のある余韻を残します。
25年という長い熟成期間による深いコクと、シェリー樽から引き出された甘さとスパイスが絶妙に調和し高級感を演出。
パッケージは21年と同様にターコイズブルーと深いブルーのグラデーション、異なるのは、ギフトボックス下部とボトルネックに施される、各ボトルごとに異なるバッチナンバーの記載。
味わい・パッケージ共に希少性のある高級感が印象的でご贈答にも最適なウイスキー。
グレンリベット限定品ラインナップ
ここまで紹介してきた定番ラインナップのウイスキーとは別に、不定期でリリースられる限定品がグレンリベットには存在します。
終売となり入手困難なものもありますが、タイミング次第では定価で購入できることも…。
ザ・グレンリベット12年 200周年記念 限定ボトル
熟成樽 | ファーストフィル・アメリカン オーク樽 |
アルコール度数 | 43度 |
価格(Amazon実売価格) | 9,757円(7,798円) |
2024年にグレンリベット蒸留所の200周年を記念してリリースされた限定版ウイスキー。
100%ファーストフィル・アメリカンオーク樽熟成で、深いフルーツの香りとスパイシーな余韻が特徴。
甘くフルーティーな香りの完璧なハーモニーに、ハチミツと爽やかなオレンジが口中に広がり、最後はヴァニラの余韻で締めくられます。
ザ・グレンリベット シングルカスク
出典:グレンリベット公式
熟成樽 | シングルカスク |
アルコール度数 | カスクストレングス |
定価 | 52,800円(2023年) |
グレンリベットのマスターディスティラーであるアラン・ウィンチェスターによって日本市場向けにボトリングされている限定ウイスキー。ラベルにはサインも施されています。
シングルカスクは、単一の樽で熟成されるため、各ボトルが独自の風味を持ちグレンリベットの個性をさらに明確に表現。
ノン・チルフィルタード製法と呼ばれる冷却ろ過を行わない事により重厚な仕上がりを見せ、樽ごとの個性が楽しめる限定ウイスキー。
ザ・グレンリベット ナデューラ
出典:グレンリベット公式
熟成樽 | シェリー,ファーストフィルオークカスクetc |
アルコール度数 | 約60度 |
定価(Amazon実売価格) | 8,600円~(10,600円/1L) |
ゲール語でナチュラルという意味を持つ「ナデューラ」
このシリーズの特徴は19世紀に用いられていた製法を限定的に使用する事。
ノン・チルフィルタード製法・カスクストレングスでボトリングされるスモールバッチシリーズ。
生産されたザ・グレンリベット ナデューラは3種類
- ナデューラファーストフィルセレクション
- ナデューラ オロロソ
- ナデューラ ピーティッ
2015年から2017年の間に生産された限定グレンリベット
フルボディで飲み応えがあり、満足度の高い逸品。
現在、正規品は終売していますが、免税店限定商品が1000mlで流通している事も有ります
ハイボールに合うグレンリベットの選び方
ここまで紹介してきたようにグレンリベットには沢山の種類があります。
シングルモルトウイスキーなので当然ストレートで嗜むのが高相性では有りますが、ソフトながらも華やかな味わいはハイボールにもオススメ。
コスパを重視し、ハイボールをテーマにグレンリベットを選んでみましょう
コスパ重視で選ぶ!おすすめグレンリベット
これはグレンリベットだけに言える事では有りませんが、高価すぎるウイスキーは味わいが繊細で奥深いものが多く、ハイボールにするとバランスを崩してしまうものが少なくありません。
気軽に楽しむためにも、比較的手頃な価格で高品質なウイスキーを選ぶことが筆者の考えるポイント。
以下は、ハイボールにした際、コストパフォーマンスに優れていると感じたグレンリベットのおすすめ銘柄。
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ザ・グレンリベット12年
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価格と入手性: グレンリベットのエントリーモデルであり、比較的手頃な価格で購入可能です。
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味わい: フルーティーでスムーズ、麦芽とハチミツを想わせる味わいが特徴で、ハイボールにしてもフレッシュさが失われません。バニラやシトラスの香りがソーダと良く合います。
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ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ
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価格と入手性: 創業者ジョージ・スミスを称えて作られた作品で、ラインナップ中最も手頃な価格帯で楽しめます。
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味わい: 味わいに原酒の若さは感じますがグレープフルーツやリンゴのようなフレッシュなフルーツの香りがハイボールに最適。軽やかでクリスプな飲み口が特徴。
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ザ・グレンリベット カリビアンリザーブ
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価格と入手性: ラム樽フィニッシュという異色の製法ながら好感が持てる定価設定。販売がネット通販限定では有りますが、比較的容易に入手が可能。
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味わい: ラムカスクからくるトロピカルフルーツの豊潤な香りがハイボールとの相性が良く、クセになる味わい。
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【クレンリベット】種類は?ハイボールにおすすめは?まとめ
ザ・グレンリベットは、その歴史的背景、製法の多様性による種類、豊かな味わい、飲み方の幅広さ、そしてコストパフォーマンスの高さから、多くのウイスキー愛好家に支持されています。
ストレートで飲んでも…
ハイボールでも…
高い万満足度と充足感が得られる素晴らしいシングルモルト・ウイスキー。
これからウイスキーを始める方も、既に愛好家である方も、グレンリベットの豊かな世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
どの一本を選んでも、その品質と風味に満足することでしょう。
この記事が、皆さんのウイスキー選びの参考になれば幸いです。
ぜひ、自分にぴったりのグレンリベットを見つけて、至福のひとときをお過ごしください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いウイスキーLIFEを
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